Would同様に、日本人の多くが混乱してしまう助動詞could。
日本の学校では、couldをcanの過去形だと習います。
確かにそうなのですが、
couldは、大きく分けて下記の3つの意味を持ちます。
would同様、実際の会話の中では、couldはcanの過去形としての使われ方は半分以下で、今のことや未来のことを指す方が多いです。
元の意味は、willとcanで違いますが、wouldとcouldは、兄弟のような関係で変化する性質は、ほぼ一緒です。
【すぐわかる】would 3つの意味と7つの使い方|音声付きページも同時進行で、ご覧頂けるとより一層理解が深まります。
couldの文もその文単体では、どの意味のcouldなのかがわかり辛く、前の文から推測してどの意味のcouldなのか見極めないといけません。
見極めのポイントとしては、would同様、英文法の基本といえる「時制の一致」です。
前の文の内容と「時制」から、どの意味のcouldなのか見極めましょう。
今回もまず、[canとcouldの関係]を説明し、よく使われる5つの使い方を上記の[過去を表すcould]・[仮定を表すcould]・[丁寧・敬語を表すcould] 3つ意味のカテゴリーに分けて解説していきます。
canとcouldの関係
まずは、willより多く意味を持つ、canの意味について、サラッとおさらいします。
canは基本的に[能力]・[許可]・[可能性]に対して「~できる。」と3つの意味で使います。
~することができる。~することができない。
I can speak English.(英語を話せる。)
He can’t speak English.(彼は英語を話せない。)
~することができる?
Can you speak English?(あなたは英語を話せる?)
~しても良い。~してはダメ。
You can go there.(そこに行ってもいいよ。)
You can’t go there.(そこに行っちゃダメ。)
~しても良い?~してくれる?
Can I go there?(そこに行ってもいい?)
Can you go there?(そこに行ってくれる?)
~可能性がある。~可能性がない。
It can be true.(それは真実になりえる。/可能性がある。)
It can’t be true.(それは真実になりえない。/可能性がない。)
~可能性がある?
Can it be true?(それは真実になりえるの?/可能性ある?)
couldも上記のcanの基本的な3つ意味を受け継ぎ性質が変化します。
canは、その対象の人やものに直接的に「[能力]~することができる。/[許可]~しても良い。/[可能性]~可能性がある。」ことをはっきりと表します。
couldは、そのcan父親と[仮定]という母親の間に生まれた子供のようなものです。
wouldとは、同じ[仮定]という母親を持つ兄弟の関係です。
couldもwould同様、大きく分けて3つの意味を持ちますが、性質は下記の2つに分かれます。
・[過去を表すcould]
canと同じ直接的に強く、「[能力]~することができた。/[許可]~しても良かった。」ことをはっきりと表します。
※[可能性]~可能性がある。」の意味は、[仮定を表すcould]が引き継ぐ為、引き継ぎません。
※過去の可能性 (could’ve + 過去分詞)については、難しくなるので、ここでは割愛します。また違うページでご紹介します。
・[仮定を表すcould]・[丁寧・敬語を表すcould]
仮定の意味を含み、間接的でcanより弱めの「[能力]~することができる。/[許可]~しても良い。/[可能性]~可能性がある。」ことをぼんやりと表します。
[能力]・[許可]・[可能性]が「ある。」か「ない。」かをはっきりと表す。(直接的で強い)
could[過去を表すcould]
[能力]・[許可]が「あった。」か「なかった。」かをはっきりと表す。(直接的でcanと同じ強さ)
could[仮定を表すcould]・[丁寧・敬語を表すcould]
[能力]・[許可]・[可能性]が「ある。」か「ない。」かをぼんやりと表す。(間接的でcanより弱め)
過去を表すcould
canの過去形のcould
canの過去形のcouldは、単純に[能力]・[許可]の意味をそのまま受け継ぎcanの過去形となります。
※[可能性]~可能性がある。」の意味は、[仮定を表すcould]が引き継ぐ為、引き継ぎません。
はっきりと表す直接的でとても強いcanの性質をそのまま受け継ぎます。
過去に何かが「[能力]~することができた。/[許可]~しても良かった。」ことを表します。
注意点としては、
過去に何かが「できた。」という表現の場合、下記の3つの使い方があります。
・could(~できた。/しても良かった。)
過去に何かが一定期間「できた。/能力があった。」や過去に許可をがあり「できた。/しても良かった。」ことを表します。
・was/were able to ~ (~できた。)
過去の能力(一定期間)ではなく、過去の特定時にたまたま一回「できた。」ことを表します。
※ ~の部分は、動詞の原型が入ります。
・managed to ~ (どうにか~した。/かろうじて~できた。)
苦戦しながもなんとか「できた。」ことを表します。
※ ~の部分は、動詞の原型が入ります。
When I was a student, I could study all night.(学生の頃は徹夜で勉強できた。)
I could swim more than 5 kilometers when I was a young.(若い頃は5キロ以上泳げた。)
I wanted to go there, but I couldn’t.(そこに行きたかったけど行けなかった。)
I couldn’t eat onions when I was a child.(子供の頃は玉ねぎ食べれなかった。)
I could watch what I liked TV shows when I was a child.(子供の頃は好きなテレビ番組を観て良かった。)
I couldn’t go out after 6 pm in elementary school because there was a curfew.(小学生の頃は門限があったので6時以降は外にでれなかった。)
※音声は、シャドーイングできるよう間隔を空けています。
仮定を表すcould
直接的に強く、[能力]・[許可]・[可能性]をはっきりと表すcanに対して、[仮定を表すcould]は、間接的に弱く、[能力]・[許可]・[可能性]をぼんやりと表します。
canは、「~することができる。/~しても良い。/可能性がある。」
その人やその物に、なにかを
[能力]「~することができる。」
[許可]「~しても良い。」
[可能性]「可能性がある。」
ことをダイレクトに明確に答えます。
[仮定を表すcould]は、「(仮の話として/例えばですけど)~できるだろう。/~かもしれない。」
その人やその物に、なにかを
[能力]「 (仮の話として/例えばですけど)~することができるだろう。/~かもしれない。」
[許可]「 (仮の話として/例えばですけど)~しても良いだろう。/~かもしれない。」
[可能性]「 (仮の話として/例えばですけど)~可能性があるだろう。/~かもしれない。」
とそれをイメージ(想像)して答え間接的となりcanに比べ弱いものとなり確率も低くなります。
[助動詞の可能性の確率]
(低い) could, might, may, can, should, ought to, would, will, must (高い)
※canの[能力]・[許可]は対象外。
would同様、[仮定を表すcould]には、(仮の話として/例えばですけど)という意味が隠れているのです。
[canの過去形could]以外のcouldは、全てこの(仮の話として/例えばですけど)という仮定の意味を含みます。
[仮定を表すwould]と[仮定を表すcould]の違いは、
[仮定を表すwould] ➡︎ 意志/意思・自信/確信(will)の仮定を表す場合。
[仮定を表すcould] ➡︎ [能力]・[許可]・[可能性](can)の仮定を表す場合。
文法や文化、様々な違いから、日本語に訳すと少しおかしくなるかもしれませんが、それが英語。
日本語とは、別物です。
could 2つの仮定法
【すぐわかる】would 3つの意味と7つの使い方|音声付きページの中でもお話ししていますが、仮定法とは、英文法の中の一つで、架空の話や実際には起きていない仮の話として、何かをイメージし、「~だろうな。」、「~ならなぁ。」想像して何かを話す時に使います。
ここでは、can[能力]・[許可]・[可能性]の仮定法couldを解説していきます。
仮定法は、couldだけでは、ありませんが、ここでは、文法上のcouldを使った2つの仮定法をご紹介します。
(もし~なら、~できるだろう。/~できるかもしれない。)
現実では、起こっていない架空の何かが実現したら、「もし~なら、~できるだろう。/~できるかもしれない。」という時に使います。
もちろん、[仮定を表すcould]「(仮の話として/例えばですけど)~だろう。/~かもしれない。」という性質をしっかりと持っています。
文型は、下記の様になります。
前のIf文と後ろの文を入れ替えて使うこともできます。
comma(,)がいるか、いらないかに気をつければ、どちらの文型を使ってもOKです。
下記の表現もよく使うので補足します。
I could go anywhere if I had a car.(もし車持ってたらどこでも行けるだろう。)
If I won the lottery, I could buy a new house.(もし宝くじ当たったら新しい家建てれるだろう。)
You could win the tournament.(あなたは大会で勝てるだろう。)
※ If you had a lot of practice,(もしあなたがたくさん練習したら、)が省かれている。
What would you do if you could be a king?(もしあなたが王様になることができたら何をする?)
If I could get my own green card, I would live in L.A.(もし私自身のグリーンカードを手に入れることができたらロスアンゼルスに住むだろう。)
※one’s own ~(誰か自身の~)
(~できればなぁ。)
wishは、「実現するのは無理だろうけど~であればと願う/思う。」という意味です。
「無理だろうけど~できればなぁ。」という願望を言いたい時に使います。
もちろん、[仮定を表すcould]「(仮の話として/例えばですけど)~だろう。/~かもしれない。」という性質をしっかりと持っています。
文型は、下記の様になります。
I wish I could go to N.Y.(ニューヨーク行くことができればなぁ。)
I wish she could be the Prime Minister.(彼女が総理大臣になれればなぁ。)
I wish I could speak Japanese.(日本語話せればなぁ。)
「多分、~だろう。/かもしれない。」予想([能力]・[許可]・[可能性])
[仮定を表すcould]「(仮の話として/例えばですけど)~だろう。/~かもしれない。」という性質を受け継いでいます。
例えば、下記のI can do it.とI could do it.
・I can do it.(それをすることができる。)ほぼ間違い無く「できる。」
・I could do it.(仮の話として/例えばですけど、それをすることができる。) ➡︎ (多分、それをすることができるだろう。/かもしれない。)できるかどうかわからないけど「できる。」
canは、「[能力]~することができる。/[許可]~しても良い。/[可能性]~可能性がある。」ことをはっきりとダイレクトに表します。
couldは、「(仮の話として/例えばですけど)~だろう。/~かもしれない。」と「[能力]~することができる。/[許可]~しても良い。/[可能性]~可能性がある。」ことをぼんやりと間接的に表します。
なので、その人のイメージ(想像)の中から「[能力]~することができる。/[許可]~しても良い。/[可能性]~可能性がある。」となり、実際どうだかわからないけど、「多分、~だろう。/~かもしれない。」というニュアンスで弱めの予想のような感じになります。
※might/may be able to ~.(~できるかもしれない。) だと助動詞を2個使えないので長くなって面倒臭い。
He could be wrong.(彼は間違っているかもしれない。)
That pen could be mine.(あのペンは私のものかもしれない。)
I could go to Japan next month.(来月日本に行けるかもしれない。)
We could increase our sales.(私たちは売り上げを上げれるかもしれない。)
I could get a promotion.(昇進できるかもしれない。)
That restaurant could be closed.(あのレストラン休みかもしれない。)
「~することできるかもしれない。」「~するのはどうでしょう。」控えめな申し出・提案
canは、はっきりと「できるよ。」と言い切るのに対して、couldは、「(仮の話として/例えばですけど)~することできるかもしれない。」「(仮の話として/例えばですけど)~するのはどうでしょう。」と弱めの感じで、仮定的に相手へ申し出・提案する時に使います。
・人称が単数の場合は、個人の控えめな申し出。 ➡︎「~することできるかもしれない。」
例えば、家族の中で誰か明日、市役所に行かなければならない時、
I could go there tomorrow.(私が明日行けるかもしれない。)
と仮定的に申し出る時に使います。
※I can go there.(私が明日行ける。)は、ほぼ間違い無く「行きます。」という申し出になります。
・人称が複数の場合は、その人たちに対して控えめな提案 ➡︎「~するのはどうでしょう。」
例えば、彼女と暇をしている時、
We could watch a movie.(映画見るのはどう。)
と仮定的に提案する時に使います。
I could pick you up to school.(学校に迎えに行けるかも。)
I could take a day off next Friday.(来週金曜日休み取れるかもしれない。)
We could go out for dinner tonight.(今夜夕食に行くのはどうでしょう。)
We could have lunch here.(ここで昼食食のはどうでしょう。)
丁寧・敬語を表すcould
[丁寧・敬語を表すcould]も[仮定を表すcould]「(仮の話として/例えばですけど)~だろう。/~かもしれない。」という性質を受け継いでいる為、丁寧・敬語のニュアンスを持ちます。
例えば、下記のCan you do it?とCould you do it?
・Can you do it?(それすることできる/してくれる?) = 友達や家族などタメ口でOKな人や場所。
・Could you do it?(それすることできますか/して頂けませんか?) = 丁寧・敬語を使う人や場所。
Can you do it?は、「それすることできる/してくれる?」と、それをできる?かどうかをダイレクトに尋ねています。
Could you do it?は、「(仮の話として/例えばですけど)それすることできる/してくれる?」とそれをできる?かどうかを(仮の話として/例えばですけど)とワンクッション入れて、間接的に相手に尋ねています。
would同様、この(仮の話として/例えばですけど)ワンクッションが、丁寧・敬語のニュアンスを表します。
丁寧・敬語とは、人と人との間に “敬意や気配り” という人との距離を取って話します。
日本語でも、あまり親しくもない人に、ダイレクトにズバズバものを尋ねられると「あなたとはそこまで親しくない。」って感じちゃいますよね。
英語も一緒です。
「仮の話として/例えばですけど、~してくれることできますか?」と言われると、ひとつクッションが入り “できればでいいんですけど、” みたいなニュアンスで、少し控えめで丁寧な感じに聞こえます。
canは、タメ口。(友達や家族)
couldは、丁寧・敬語。(敬語を使う対象の人やフォーマルな場所)
「~して頂けませんか?/~してもよろしいでしょうか?」控えめで丁寧な依頼・許可
Could you ~?(~して頂けませんか?)
Could I/we ~?(~してもよろしいでしょうか?)
「~してくれる?」や「~しても良い?」と相手にものを頼んだり、相手に許可を確認する時、Can you ~?(~してくれる?)とCan I ~?(~しても良い?)の丁寧・敬語として使います。
基本的に敬語を使う対象の人やフォーマルな場所で使います。
控えめで丁寧な依頼・許可の時は、would, couldどちらも使えます。
意志/意思・自信/確信があるかどうかを尋ねるwould「~する意思ってありますか?」より、couldの方が、「~してもらいことって可能ですか?」となり丁寧・敬語になります。
・Can you ~?(~してくれる?)タメ口。
・Can I/we ~?(~しても良い?)タメ口。
・Could you ~?(~して頂けませんか?) ➡︎ Can you ~?(~してくれる?)の丁寧・敬語。
・Could I/we ~?(~してもよろしいでしょうか?) ➡︎ Can I/we ~?(~しても良い?)の丁寧・敬語。
Could you wait a minutes?(数分待って頂けませんか?)
Could you give me two plates?(2枚お皿を頂けませんか?)
Could you do me a favor?(一つお願いをきいて頂けませんか?)
Could you call me back soon?(折り返しの電話をすぐに頂けませんか?)
Could I have a paper?(紙を一枚頂いてよろしいでしょうか?)
Could I borrow your pen?(あなたのペンお借りしてよろしいでしょうか?)
Could we take a break?(私たち休憩してもよろしいでしょうか?)
まとめ
[過去を表すcould]・[仮定を表すcould]・[丁寧・敬語を表すcould]この3つの意味とよく使われる5つの使い方を覚えれば、9割方couldは、攻略できたと言えるでしょう。
couldのよく使われる5つの使い方を積極的に英会話の中で使っていき5つ全てマスターしていきましょう!
ポイントは、[仮定を表すcould]「(仮の話として/例えばですけど)~だろう。/~かもしれない。」です。
【すぐわかる】would 3つの意味と7つの使い方|音声付きページもご覧頂けるとより一層理解が深まります。
その他のcouldの使い方も少し残っていますが、別々に分けて考えた方が、わかりやすいと思いますので違うページ【すぐわかる】could have意味と使い方|音声付きをご覧ください。
英語をマスターするためには、リスニングやスピーキングの練習が欠かせません。
低予算かつスマホひとつで効果的に授業を受けることのできる「専用レッスン通信ツール」を所有するオンライン英会話で、気軽に英語力をアップを目指してみませんか?
「専用レッスン通信ツール」はスマホでも使いやすく、画面上のボタンをタッチするだけで、テキストや音声、動画、チャットメールなどを活用して授業を進めることができ、また、先生と生徒が同じ画面を見ながら授業を行うので、コミュニケーションもスムーズにできます。
自宅や外出先など、好きな時間・場所で手軽に、英会話の授業が受けられるため、多くの人に利用されています。
各オンライン英会話で無料体験レッスンが用意されているので、自分に合った先生やオンライン英会話を見つけることができます。
各オンライン英会話(専用レッスン通信ツール所有校限定)の無料体験レッスンやサービスに関する詳細は、下のボタンからご確認いただけます。
その他にも、英語に関する情報を下のリンクボタンからご覧いただけますので、気になるページがあれば是非ご覧ください。
英語の知識のインプットとその英語の知識のアウトプットをバランス良くやって、どんどん英語を話せるようになりましょう!
Keep going.
Take care.